夫の父はニュージャージーとニューヨークに住んでいた。
ニューヨークは―20度くらいの気温になることもあるから冬は大変そう。
「ハワイの暖かい気候の中で過ごせているから今は幸せ」と私に言った。
夫の父は冬の寒さから逃れてハワイに移住したいと考えるアメリカ人の典型。
ハワイで優雅な暮らしを夢見るというよりは現実的にもう寒いのに耐えるのは嫌だからという切実な望み。
義父以外にも、こちらに来て他の人からも何度かそういうことを聞いたことがある。
私は東京で育ったため厳しい寒さをほとんど知らない。
最近の日本の浴室の床は昔の冷たいタイルとは違って、足裏に冷たさを感じないし寒ければ浴室暖房も使える。
もちろんトイレの便座も暖かいからお尻から冷たさのショックを受けなくて済む。
しかしアメリカはどんなに寒い冬がある地域でも日本のような設備などない。
寒いのが嫌なら冷たいのが嫌なら、なぜ改善しないんだろう...
やろうと思えば、けっこう簡単なことなのにアメリカでは普及しない。
それがアメリカ人というもんなんだろう。
でもいきなり冷たい空気に触れるのはお年寄りの血圧を急激に上げやすいからあぶないというではないか。
いくらハワイとは言え、冬は長袖トレーナーや上着を羽織ったりするし、義父の住む地域は暖炉やストーブがある家も多い。
夫の父はこちらに来て数年で全くの盲目となった。
今年で83歳。
パートナーの女性はひとつ下で週3日泊まりに来てくれるのだが、あと数年したらやはり私たちが一緒に住んだ方がいいのかなあと時々思ったりもする。
う~ん、この先どうなるんだろう。